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1970年代以降非婚姻カップルの解消も増加傾向にあり、しかも、婚姻カップルの離婚件数よりも幾分高いことが指摘される。非婚姻カップルの解消数は、1981年の25,000件から、1986、1991年には約30,000件に増加している。非婚姻カップルは若くしかも子どもがいないのが特徴である。また、これらの数字には離婚した後非婚姻同居形態を選択した人たちも含まれる。しかも、スウェーデンの場合婚姻前に数年の非婚姻同居をしており、安定したカップルは結婚するのが普通であるから、非婚姻カップルの関係は婚姻カップルに比べると一般的に不安定であるといえよう。婚姻・非婚姻カップルを合わせた離婚と事実婚の解消数は、1980年代半ばから1990年代にかけてそれほど増加していない。
しかし、家族の安定を離婚総数のみで測定することは語弊のあることを指摘する必要がある。なぜならば、離婚・解消数はそれぞれの時点における婚姻ならびに非婚姻カップル数に大きく依存するからである。スウェーデンの総人口は、1900年の5.1百万人から1994年8.8百万人に増加しており、結婚数に対する離婚率は次の図6のようになる。これによると、今日の離婚率は今世紀初頭のそれに比べて25倍に達している。
ここ30年間のカップル解消の著しい増加要因は後に詳しく述べるとしても、そのひとつとして指摘されるのがカップル形成の年齢が昔に比べて若くなったことである。若くて子どものいない非婚姻同居カップルの解消数がとくに高いことを指摘したが、この世代における離別は「よりよいパートナーを探す」ことを前提とする、つまり、本格的な家族形成に向けての人生の一プロセスとして位置付けられている

 

図6 既婚女性1,000人に対する年間離婚数11900−1994年

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出所:SCB 1995:1 p.28

 

 

 

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